「ほったらかしで年間2000万円入ってくる超高配当株投資入門」 著者:かんち 読後感想

投資本

かんち氏と言えば、投資系の雑誌で度々紹介されていた投資家で、個人的に気になっていた方です。書店で見かけて思わずレジに持っていきました。

かんち氏は元公務員。49歳で激務部署への異動を告げられた際にFIRE。本書の発行時点で資産8億円、配当金年間2000万円。

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どんな人にお薦めな本か

・かんち氏の投資スタイル(高配当株、優待中心)の考え方を知りたい方

・かんち氏は、どのような公務員だったのか知りたい方

・公務員で資産8億円(年間配当2000万円)を築いた投資手法とはどのようなものか知りたい方

※書いてあるのは「投資手法」についてであり、「資産額いくらのときにどんな投資をしていたか」は書かれていませんでした。そこが残念なポイントではありますが、本書に記載された考え方を継続して取り組んだ結果8億円という資産に到達したのだと感じられました。消化しきれなかったテクニック部分を読み返すためにも少なくともしばらくは手元に置いておきたい一冊。

※かんち氏は長期投資の投資家です。少ない元手で短期で稼ぎたい方には向いていません。

良かった点

・8億到達するに至ったかんち氏の投資手法が読めること。

とても大雑把にまとめると、高配当、優待の長期保有をコアとして、サテライトで暴落時に割安株を仕込んで値上がり益を狙うというもの。「高配当、優待だけではここまで資産が伸びないだろう」と思って読み始めたので、個別株で値上がり益による資産増加のブーストがあったというのは納得。投資初期に元本を捻出する方法として当時のパチンコエピソードが語られていますが、そこからもかんち氏の忍耐強い性格がうかがえます。

詳しく知りたい方は一読をおすすめします。

・配当2000万円ある人の生活を覗き見ることができること。

桐谷さん+配当金収入といった印象(桐谷さんの配当収入は知りませんが、ひたすら優待で生活している印象より)。2000万ありますから生活には余裕があります。

平日にジムに行くと、そこに通うのは同じように資産を持った人や社長が多いことなど実例として読むことができます。1日のタイムスケジュールも記載あり。

8億あっても周囲から浮かないように家の外装(築50年)にはお金をかけないなど、節約から資産を築いた投資家ならではの価値観を垣間見ることができます。

そしてなんと、主力株20銘柄+準主力株107銘柄の一覧が「保有株数」「保有理由」付きで掲載されています。この情報は時間と共に価値は下がるものでしょうが、一投資家として興味深い付録でした。実際にこれを参考に売買するかは別として、他の人のポートフォリオを覗いてみたい人には嬉しい付録。こうした銘柄を分析していけば、より身近にかんち氏の投資手法を感じられそうです。

本書中にはおすすめ銘柄として具体的な銘柄も記載されていますが、この情報もまた時間と共に変わっていくでしょう。ですので、「ここにあるから買い」ではなく、「どのような理由でその銘柄がおすすめなのか」という「考え方」を学ぶ具体例としての意味としたほうが有益でしょう。

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再現性がありそうか

わかりません!

相場や個人のスキルによる部分が大きいと感じました。タイトルには「ほったからしで年間2000万円入ってくる・・・」とありますが、決して「ほったらかし投資」で2000万円入ってくる状態を築いたわけではありません。ここに行きつくまでにどのタイミングでどの程度のリスクをとっていたのかは事細かには書いていませんので再現性はなんともいえません。基本は高配当株を買い足していくスタイルですが、暴落時には買い向かうことや、銘柄の状況によって売買する機会はある程度あるようなので、そのようなアクティブな運用の結果が資産にどのように影響していったのか細かく書いてくれるとありがたかったです。

本書の帯には「判断基準が明確で再現性の高い」とありますが、日本の個別株を投資対象にしていることから、インデックス投資と違ってある程度銘柄分析は必要です。そのための手法を書いてくれているということなのですが、かんち氏のスタイルは現金をほぼ残さないフルポジションと言われるスタイルです。暴落時には値下がりしたお買い得の株を買うために、所有株のうちからあらかじめ順番を決めて売ったり、配当金を上限に信用取引で株を買い向かうなど、それなりにテクニカルな手法を駆使しています。個別株の投資経験・知識がある程度備わった人なら本書の判断基準を参考に「再現性」を高めることができるのかもしれません。

高配当株のFIRE生活者としては頭一つ抜けた印象

なんせ年間配当が2000万円ありますからFATFIREと言われる領域です。600銘柄への分散投資で優待株もたくさんもっており、優待も合わせて生活に全く不自由はなさそうです。むしろ配当を使い切ることが難しく増えていく状況というのは何とも羨ましいですね。

FIRE後の生活は、インデックス投資家にとっても「取り崩し型」なのか「配当株への移行なのか」選択肢は色々ありますので参考になるのはないでしょうか。

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